公園長ブログ 卯月―その弐

みなさん、こんにちは、公園長の瀧川です。
以前、公園長として、写真付きで新聞に紹介されたことで、いろんな方(先輩や昔の上司)が、訪ねてくださったり、お電話をくださったりするようになりました。
「今度、孫と動物園に行くが、見るなら、動物は何がおすすめだのん」
その多くの方から、こういった質問をいただきます。
私としては、全ての動物がかわいいし、一か所で、ゆっくり時間をかけて動物と向き合う楽しみや、今の時期なら、野鳥園で、春のさえずりの中に身を置く幸せを、ぜひ知ってほしいと思うのですが、相手はみなさん、現役時代バリバリの仕事人間で、性格的に一日ボーと動物を眺めている、そんな芸当はとてもできない人たちばかりなのです。
自由気ままに生きている動物たちは、その素晴らしい生態を、人間の都合にあわせ見せてくれるわけではありません。キリンのキララの素晴らしい疾走も、思わずトムを応援してしまう「ソフィア!いい加減俺の嫁になれ!」角突合せも、伝説のカバのバタフライも、アーシャーやチャメリーの水浴びも、彼らがしたいようにする日々の中で、私たちが出会うことができる一瞬なのです。
だから、先輩の皆様には、いつもミーアキャットをお勧めするようにしています。この子たちは、期待を裏切らない確実さで、必ず穴を掘り、必ず全く無防備な姿で日光浴をし、必ず誰かが監視のために空を見上げています。いつでも、だれにも、どの場面でも、それは変わることがありません。みなさんも、動物園初心者をお連れするときには、ミーアキャット、おすすめですよ

アフリカ園の風景

ミーアキャットは、今日も空を見上げていた
二本足で、立ち上がると
その茶色い瞳に、風景を写し取るようにして
じっと空を見上げていた

ある日、獣医のおじさんが
「それは、本能というものだ」
と、おごそかに私にいった
「アフリカの大地で生きぬいてきた、誇り高き本能というものだ」と

でも、本当にそうかしら
空は、蒼くどこまでも広がり、その中を、冷たい雲がひとつふたつ流れていく
こんな日の空は、まるで、胸が締めつけられるようで
とおい思い出が、いちどきに湧きあがるようだ

むかし
詩人は
「この空は、どこへもつながっている」といった
もし、そうなら
この、ちぎれ雲のように流れていく、想いは
やがて、どこへゆくのだろう

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