公園長ブログ 皐月―その壱

みなさん こんにちは、豊橋総合動植物公園 公園長の瀧川です。
ひと雨ごとに、緑でいっぱいになっていく、のんほいパークの森です。
さて、みなさんは、保護動物って知っていますか? いろんな理由で国や県が希少動物を保護した場合、その動物の治療や飼育が動物園に依頼されます。
多くは骨折をしたタカ類や、親とははぐれた幼獣などです。本園では、クマタカやハヤブサ、ニホンカモシカ、ツキノワグマなどが該当します。けがをしたり、幼獣の状態では、自然界では生きていけず、動物園で治療・保護をおこないます。そして、その後、その個体を自然界に返すかどうかは、保護した機関と話し合い決定することになります。しかし、そのほとんどは、十分な回復が難しかったり、人間に育てられた結果、野生では生きていけない個体となってしまったりして、残念ながら、動物園で終生飼育されることになるのです。
いわゆる本園の「保護動物」ではありませんが、人気のキツネ姉妹、イナリとオアゲも実は、他園が幼獣のときに保護した個体で、二頭が人を怖がらないのは、人工哺育された結果なのです。
世界を見れば、保護された個体を野生に戻す試みが、オランウータンなどで行われていますが、それが、どれだけ大変で、その実現にどれだけの粘り強さが必要か考えると、本当に頭が下がります。
また、たまに、税関から、密輸入された野生動物の保護依頼がきます。カワウソの密輸が一時話題になりましたね。野性個体が密輸入されるということは、その国でそれを購入する人がいるということにほかなりません。個人の趣味のために、野生動物がどれだけ、苦しんでいるのか。これは、野生動物の生息域を保護すると同じくらい、我々が考え、啓発をしていかなければならない事案だと思います。
さて、今回は、少しかたいお話になってしまいました。反省・・・

 

 

「ツキノワグマのアイル」

 

タンポポの庭で
ツキノワグマのアイルが、ころがるように、お日さまと遊んでいる

 
小さいころ、母さんとはぐれたアイル
人間の罠にかかって、ひとりぼっち、残されたアイル
きみの故郷は、きっと、今頃は、雪解け水の流れと、新緑で、いっぱい
そして、あの頃の君のような子熊が、残雪のちかちかした輝きや、山吹の鮮やかな黄色に、

目をぱちぱちさせていることだろう

 
いくら、おなか一杯食べても
いくら、きれいなお部屋で、暖かく過ごしても
そして、いくら、飼育員のお姉さんが大好きでも
アイル
僕はいつも申し訳ない思いでいっぱいだ

 
おなかがすいても
冷たい雨に打たれても
一人で寂しく森をさまよっても
アイル
君にはもっと素敵な生き方があっただろう

 
でも
もうここでしか、生きることができないアイル

 
だから、僕たちは

 
君には
せいいっぱい
幸せになってもらおう
と思うのだ

 

 

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